房水は眼房(前房と後房)を満たす透明な液体で、角膜や水晶体に栄養を供給しています。
房水は毛様体で産生され、後房から前房に流れて、隅角からシュレム管へ排出されます。
隅角には、線維柱帯という組織があり房水を濾過しています。
眼圧は、房水の産生と排出のバランスによって保たれています。
何らかの原因でこの房水の流れが滞り前房に房水がたまると、
眼球全体の内圧が上がってしまいます。
眼圧が高くなり、視神経を圧迫することで、視野障害が起こります。
それが緑内障です。
(眼圧が高くならないNTG(正常眼圧緑内障)も多くなっています)
■症状
緑内障は大きく分けると、慢性にくる開放隅角緑内障と、急性にくる閉塞隅角緑内障があります。
緑内障は自覚症状がほとんどなく、視野欠損は周辺部から徐々に始まります。
開放隅角緑内障は、何年かを経て進行する場合が多いです。
自覚症状のないままに、徐々に進行していきます。
人は両目で物を見ているので、片目の視野が欠けていてもあまり気がつかないということも発見が遅れる理由です。
こんな自覚症状はありませんか?
□ 眼が疲れやすい
□ 夜間、光のまわりに色のついた輪がみえる。
□ 時々、眼がかすむ。
□ 視野が狭くなる。
閉塞隅角緑内障は、突然視力が低下し眼が痛くなったり、充血したり、頭が痛くなったり、気分が悪くなって嘔吐したりして発覚します。
発作的に症状を起こし、大きな発作の場合は1~2日で失明に至ることもあります。
発作で嘔吐、腹痛を伴った場合は、他の病気と間違えられやすいので注意が必要です。
眼圧を正常値(最適値)に下げなければなりません。
緑内障は、100人に2人の割合で発見されています。
中でも、40歳以上は100人中5~6人が緑内障だといわれています。
視神経が死ぬことにより起こる視野欠損は回復しません。
早期発見により、進行を抑える治療ができます。、
■ 治療方法
眼圧を下げるために、薬物治療(目薬、飲み薬)と手術のふたつの治療方法があります。
● 点眼薬による治療
目薬にはプロスタグランジン製剤、β遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬には錠剤のものもあります。
。
点眼薬には副作用があります。内服薬は点眼薬の補足に使用されますが、内服すると時には悪くなったりすることがありますが、服用を止めると元に戻ります。
● 手術による治療
薬で眼圧を調整することができない視野狭窄が進行する場合は、新しい出口を作る手術をしなければなりません。
閉塞隅角緑内障に対しては、レーザー虹彩切開術、水晶体摘出術、隅角癒着解離術、線維柱体切開術、線維柱体切除術などの手術を行います。
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