視力回復エバンジェリストの大澤です。
電車に乗ったら、10人中何人がメガネをかけているかを数えてみてください。
少なくとも、2、3人はメガネをかけていますね。
そのほかにも 1人か2人は、コンタクトをしている可能性があります。
この割合は、近視人口4,000万人といわれている近視大国日本を裏付けています。
この状況を変えるのには、私がやらなければならないことは、まだまだたくさんあると思っています。
さて、先日こんな質問をいただきました。
この方は今まで両目の視力が2.0以上あったのに、中学に入学してから左 1.0 右 0.7 に落ちてしまったそうです。
それで、1年の3学期から視力回復トレーニングを初めて 7ヶ月後に、左 1.0 右 0.9 に上がったそうです。
しかし、それでも満足できないので、元々あった 2.0 に戻すことは可能でしょうか?という質問でした。
その質問に対して、私はこのようにお答えしました。
幼児期は眼球も小さく遠視気味で、それが体の成長とともに眼球も成長し、小学校に入るくらいには正視になるのが普通です。
眼球が大きくなるということは、眼球の直径が伸びるわけですから、眼軸が伸び焦点距離が長くなります。
もともと遠視気味だったものが、成長に伴って正視に落ち着いてくるのはそのためです。
日本で正視とされている 1.0 の視力とは、5メートル離れた位置から直径が7.5ミリ、すきまが直径の5分の1、つまり1.5ミリの切り欠きが見えることです。
5メートルに対しての1.5ミリの幅がつくる角度(視角といいます)が、ちょうど1分、1/60度です。
5メートルの倍である10メートルの距離から、その「C」の字(ランドルト環)の切り欠きが認識できたら、視力 2.0 となります。
視力2.0の定義は上記の通りですが、ちょっと考えてみて欲しいのです。
『はたして本当に 2.0 の視力が必要でしょうか?』
必ずしも遠くがよく見える目がいいというわけではありません。
日常生活では、本を読んだり、字を書いたり、パソコンを使う、携帯電話を使うなど、近くを見なければならない場面が多くあります。
遠視の傾向がある場合は特に、近くを見るとき水晶体を厚くしなければならないために、毛様対筋を酷使することになります。その結果、非常に目が疲れることになります。
遠くが見えるからといって、いつでもどこでも万能ではないということを知っておいてください。
オスマン・サンコンさんはご存知ですか?アフリカのギニア出身で、日本のテレビにも、よく出演されていた方です。
そのサンコンさんが日本に来られたときの視力は 6.0だったそうです。
視力 6.0 とは、30m離れて1.0用の「C」の切り欠きがわかる状態。
ビルの10階から道路においた新聞が全部読めるといえばわかるでしょうか。(想像しただけでもスゴイですね)
ところが二十数年間日本で生活するうちに、視力は 0.7に下がったそうです。
結局のところ、視力は生活環境に左右されるということですね。本来必要な視力に落ち着くのです。
アフリカでは、2km先の草むらにいるライオンを、早く見つけなければ身の危険を感じるかもしれません。そのため、高い視力に必然性があります。
日本ではどうでしょうか。一部の職業を除いては、そこまでの視力は必要ないでしょう。
もちろん視力回復にも限界はあります。(ここではトレーニングによる視力回復のこと)
それは屈折度数と視力に密接な関係があるからです。
今回質問をいただいた方の場合は、年齢的な回復力の高さ、近視暦の短さを考えると、視力 2.0 の回復も実現可能な数値だと思います。
ただ、本当に 2.0 の視力を得ることが理想かどうかは、ライフスタイル次第と言えます。
あなたも目標設定するときに、適正視力というものを考えてみてください。
私は、老眼鏡を必要とする 2.0 の視力よりも、乱視のないクリアな 1.0の視力の方が魅力的に思います。