若い女性を中心に人気のある度数のないカラーコンタクトレンズは、顔の雰囲気を変えることができるからという理由で、使う人が多いようです。
ところが視力低下などの報告があとを絶たないため、経済産業省では対策の検討を始めることになりました。
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)は、被害の実態と製品の流通状況を調べる委員会を発足させました。厚生労働省やNITEが連携しながら規制の導入といった具体策を考えていきます。
度の入っていないおしゃれ用カラーコンタクトレンズは医療機器に該当せず、薬事法規制の対象外なので、度入りのコンタクトレンズとは販売者の取り扱い方が違います。
また、カラーコンタクトレンズは、医師の処方が不要なので、量販店やネットで簡単に買えます。しかも、「雑貨」扱いなので、販売店側の取り扱いが雑になりがちです。
2,000円から1万円弱と安く、買う人は10代が多い。しかし、洗浄剤や煮沸機も付属せず、コンタクトレンズの取り扱いに不慣れな人が使うために、事故につながっていると考えられます。
さらに、カラコン自体の材質にも問題があることがわかっています。 国民生活センターが2006年2月3日に公表した資料によれば、一部の製品で眼粘膜刺激が起こりうる「毒性」が認められています。さらに色素やアルミニウムなどが溶出しているものもあった模様です。
レンズ自体にキズのようなものがあって角膜を損傷させた例もあり、コンタクトレンズ自体の品質にも問題があります。
昨年10月、日本眼科医会や日本コンタクトレンズ学会でつくる協議会が、全国213の眼科病医院の協力で調べたところ、おしゃれ用カラーコンタクトによる目の病気は1カ月間で27件報告され、そのうち失明につながる恐れのある角膜潰瘍・角膜浸潤も9件もありました。